岩手・山田産アカモク100%粉末
アカモクやヒジキ等のホンダワラ科の海藻は、他の海藻と比較してヒ素が多く含まれるため、例えばヒジキは、ヒ素低減のため水洗いや水戻し、ゆでこぼし(食材をゆでて煮汁を捨てること)工程を行うことが推奨されています。ヒジキと同様にホンダワラ科の海藻に含まれるヒ素の低減法について公的研究機関により研究が行われており、水洗・ボイルに一定の低減効果があること、さらに有機酸溶液への浸漬やボイルにより効果が高まることが明らかになっています。私たちは研究機関指導のもと、アカモクに含まれるヒ素を約1/4まで低減する方法を開発しました。乾燥により成分が濃縮されるため、粉末製品の場合はヒ素の含有量に特に注意が必要です。
洗浄前後のアカモク総ヒ素量
- 洗浄前(n=2)166ppm
- 洗浄後(n=4)44ppm
フコキサンチンの抗酸化力
褐藻類のなかでもアカモクには水溶性食物繊維や脂溶性成分のフコキサンチンが多く含まれ、特にフコキサンチンは、抗肥満化・糖尿病改善に高い効果を示すことが証明されています。なかでもリアス式海岸の独特の地形が生んだ山田湾のアカモクは、穏やかな沖合にあるカキの養殖棚に生育するため、付着物が少なく、比較的純度が高いのが特徴です。フコキサンチンの含有量も他産地のアカモク粉末よりも多く含まれています。
アカモク粉末中のフコキサンチン量(弊社調査)
- 他産地の
アカモク粉末 - 0.9〜1.2mg/g
- 山田湾産
アカモク粉末 - 1.78mg/g
海藻が地域間の架け橋になる
今ではすっかり知名度のあるアカモクですが、10数年前は一部の地域を除きほとんど知られていない未利用海藻でした。カキ養殖の盛んな岩手の山田湾では、カキの養殖棚にアカモクが繁茂することから、毎年定期的に除去する必要がある邪魔者でしたが、岩手アカモク生産協同組合は、アカモクを未利用資源と捉え、利活用を進めるべくアカモクの成分や、食べ方などを研究し続け、途中、東日本大震災で大きなダメージを受けても、これを乗り越え全国にアカモクの良さを広める活動を続けてきました。有効活用されるようになると、山田湾は天然のアカモク養殖施設として毎年安定した生産が可能となり、全国有数のアカモク産地となりました。邪魔者だったアカモクに利用価値を見出すべく継続して取り組まれたことは、私たちのガゴメ昆布に対する取り組みと共通点が多く、また、アカモクに含まれる成分(フコキサンチン)の研究では、当時北海道大学の宮下教授より指導を受けたという点でも共通点があったことから、新たな価値を生むべくコラボレーションをお願いしました。
岩手アカモク生産協同組合の協力により、岩手アカモクの質の良さを損なうことなく、安全で様々な用途に利用し易い素材の開発に成功しました。
岩手県山田湾